春といえば異動の季節。
別れもあれば新しい出会いもあり。
毎年、戦々恐々としながら異動辞令を待っている方も多くいるのではないでしょうか。
そんな春は、人事課一同、非常に多忙を極める季節でもあります。
新入社員の受け入れ準備と並行して行わなければならないのが、春の定期異動。
異動を決めるのは簡単ではありません。
何十回と会議を重ね、最終決裁を経てようやく異動辞令が下りる。
ものすごい労力と共に、気苦労半端ないです・・・(._.)
人事異動によって生じる弊害(家庭環境とか)を考えると、情を捨てて利益重視ともなりきれず・・・
かと言って、やさしさだけでは人事の仕事はやっていけないのです。
毎年胃が痛くなる季節。花粉症と共に、今年も人事課の戦いの季節がやってきました。
先日、ある従業員からこんな質問を受けました。
「どうして私はいつまで経っても異動できないのですか?」
確かに彼女が異動希望を出しているのは、知っていました。
でも人事としては彼女を異動させるのに、ためらう理由があったのです。
目次
人事異動は誰がどのように決めているのか
さて本題に入る前に、あなたの会社では人事異動は誰がどのように決めていますか?
この質問に答えられる人は、多くないはずです。
なぜなら、人事異動は超極秘で行われることが多いからです。
そもそも人事という部署は、機密事項を扱う非常に大切なポジションです。
「今度この人を●●店に異動させるつもりだ」なんてことが漏れたら、信用を失いかねません。
だからこそ人事異動に関しては、本当にごく一部の人間(人事課の中でも少数)にしか知らされないことが多いのです。
人事異動を決めるのは、人事課などの人事権を持つ部署のトップが決める場合もあれば、中小零細企業であればトップダウンで行われることもあります。
ある程度大きな会社になると、人事権を持った部署内で会議を重ねていろいろな事情を考慮して決めています。
いずれにしても一つ、非常に酷な言い方をすれば、「人材をコマとして見ている」のは間違いありません。
人事の仕事を長年やってきた私でも、言い換えれば一つのコマに過ぎません。
私という社労士資格を持つコマは、人事課に適しているから人事課に配属されているのであり、これが日商簿記1級を持つコマであれば経理課に配属となるでしょう。
このように、「あの人はこんな性格だからここの部署に向いている」「あの子とあの子は性格が合わないから同じ部署は避けよう」など一人ひとりの事情を考慮しながら、コマを動かしてシミュレーションを重ね人事異動を決めているのです。
人事異動の理由は一人ひとり違う
一人ひとりの事情、性格、適正を判断しながら人事異動を決めているため、異動の理由は全員が同じではありません。
欠員が出たための補充、業務拡大のための増員、その他新しい風を起こすためのトレードなど理由は多岐にわたります。
親の介護が必要になり、残業がない部署に異動したいという申出などを考慮するケースもあります。
一概に「こうだからこうなった」と説明ができないのが人事異動です。
だから異動辞令を受け取った場合、決してマイナスに考えないようにしてくださいね(;・∀・)
本当の理由はどうであれ、「新天地で頑張る!!」と決意新たに頑張れる人のことを人事担当者はしっかりと見ています(^^)
異動を希望しても異動できない理由
ようやく本題に入ります。
では異動希望を出してもなぜ異動させてもらえないのでしょうか。
「この会社は私の要望を受け入れてくれない」と匙を投げる前に、今一度自分の置かれた状況を振り返ってみましょう。
異動希望が通らない理由は、二つ。
仕事ができるからその部署(支店)から抜けられると困るのか、仕事ができないから受け入れ先がないかのどちらかです。
①仕事ができるから
その部署、その支店において重要なポジションに就いていれば就いている程、異動は難しくなります。
それはあなたが仕事ができるからに他なりません。
「その人が抜けると困る」と上司が判断すれば、いくら人事と言えども強硬するのはなかなか難しい。
その上司を説得する材料がなければ、人事異動がかけられないとなると、エネルギーを使ってまで・・・と考えてしまいます。
それなら他の人を動かす方が簡単だからです。
所属部署の長があなたを引き止めたいと思っているとき、人事異動希望は通りにくくなります。
②仕事ができないから
逆に仕事ができない場合も、人事異動希望は通りにくいのです。
理由は簡単です。引き取り手がないからです。
他の部署や支店では「使えない」と判断されてしまうと、人事異動の対象から外れます。
無理に人事異動を発令し、所属する部署の長にクレームを言われるのを避けたいとの思いからです。
仕事ができないだけでなく、発言に癖がある、態度が横柄などの勤務態度も同様です。
とにかく、その部署、その支店以外にあなたを引き取ってくれる人がいないため、人事異動が通らないのです。
希望異動ができないなら退職を申し出てみるのもOK
冒頭のA子さんは、非常に仕事ができる人でした。
みんなが彼女を頼り、所属していた経理課のまとめ役を担っていたのもA子さん。
人望は厚く、上司からも高評価でまさにその部署にはA子さんがいないと困る状態だったのです。
そこで私は彼女にそのことを伝えました。
A子さんが仕事ができるから異動させてあげられないということを。
そんな私に彼女は言いました。
「異動ができないなら仕事を辞めます。」
A子さんは、どうしても苦手な上司が同じ部署に居るとの理由から、常々異動希望を出していたのです。
そのSOSを無視した結果、ついに彼女から退職希望が・・・
かなり焦りました。そこまでの覚悟があったのも、どれだけ辛かったかということも、私たち人事課一同は何も見ていなかったのです。
そうして、覚悟を決めたA子さんの「仕事辞めます」発言により、ようやく人事課は重い腰を上げ、経理課長を説得の上、A子さんがかねてから希望していた営業部への人事異動辞令を渡すことになりました。
人事課は時にこのような、大きなミスをします。
自分たちの楽な方ばかり考え、本気のSOSを無視した結果に後から焦ることもしばしば・・・
異動辞令が通らない時は、A子さんのように退職を伝えてみるのも一つの手です。
もしそこで引き止められたら、あなたは「仕事ができるから」異動できなかったのです。
引き止められずあっさりと承諾されてしまったら、「仕事ができないから」異動できなかったのです。
大きな賭けになることは間違いありませんが、悶々とした日々を過ごすよりスパッとけじめをつける意味でもチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。
もしも引き止められず退職することになってしまったら、「仕事ができなかった」自分を省みるチャンスです。
今までの自分の行動を今一度振り返り、新たなスタートを切るきっかけにして、次に進みましょう!!
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